- ニュース

AppleとSamsungは、おそらく史上最も熾烈な特許訴訟の真っ只中にある。しかし、両社が互いの技術を盗み合うことがなくなるわけではない。Samsungの最も著名なチップ設計者の一人が、Samsungの宿敵であるAppleに加わった。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、「ベテラン」プロセッサの第一人者ジム・マーガード氏が、AppleのMac向け独自チップ開発を支援する可能性があるという。
マーガード氏の専門知識は、Appleが最終的にMacのプロセッサをIntelから、iOSデバイス用の自社製「A」チップシリーズのような自社製に切り替えることを意味するかもしれない。
ウォールストリート・ジャーナルによると、メルガード氏は「低価格帯のポータブルコンピュータ向けに設計された、コード名「ブラゾス」という注目度の高いAMDチップの開発で主導的な役割を果たしたことで知られていた」という。彼はサムスンチームの重要なメンバーとみなされており、PCプロセッサ開発も専門としている。
元AMD幹部で現在は調査会社ムーア・インサイツ&ストラテジーを率いるパトリック・ムーアヘッド氏は、メルガード氏はPC技術と、単一のシリコン上に様々な特殊機能回路を組み合わせたSoC(システム・オン・チップ)と呼ばれる製品の両方において深い専門知識をもたらすと述べた。
ムーアヘッド氏によると、アップルの現行のスマートフォンやタブレットに加え、マーガード氏の才能は、Macがインテル製チップを搭載しているもののSoCは搭載していないアップルのPC事業にも活かせる可能性があるという。「彼は社内外のリソースを結集し、アップルのPC用プロセッサを開発する能力に長けているだろう」とムーアヘッド氏は語る。
AppleがMacプラットフォームでIntel製プロセッサを廃止し、自社製プロセッサを採用しようとしているという噂は長年続いている。この目標を達成するにはチップ設計の専門知識が不可欠であり、Mergard氏はAppleにとってその欠けているピースとなるかもしれない。
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル