承認されるべきではなかったアプリの奇妙な物語

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これは、Mac App Store で 2 度承認されたものの、そもそも承認されるべきではなかったと Apple が気付いて却下された、Mac OS X アプリに関する興味深い話です。

このアプリはKickoffで、小規模チームで働く人々のためのコラボレーションとコミュニケーションのハブです。37signalsが提供するウェブアプリに似ていますが、ブラウザではなくデスクトップアプリとして動作します。Kickoffの機能には、共有ノートブック、ToDoリスト、ファイルストレージ、チャットスペースなどがあります。

デスクトップアプリのダウンロードは無料です。Kickoffは37signalsと同様に、月額料金を徴収することで収益を得ています。

さて、ここで奇妙なことが起こります。Kickoff には、えーっと、キックオフの時点から月額料金の支払いシステムが組み込まれていたのです。iOS App Store でお馴染みのアプリ内決済とよく似ています。（ちなみに、これらはそれぞれ異なるストアで、ルールも若干異なります。）Kickoff の2つのバージョンは、Apple の承認を得て Mac App Store への配信を問題なく完了しました。

数週間前に定期的なバグ修正アップデートを行った際に、Kickoffチームはようやく拒否されました。Mac App Storeで販売されているソフトウェアでは、そのような方法で顧客に課金することはできないと告げられたのです。

Kickoff の Benjamin De Cock 氏がこの話を取り上げます。

「問題は、Mac App Store ではアプリ内決済が許可されていないのに、アプリ内で月額サブスクリプションを使用していたことです。

不思議なのは、アプリ内決済がずっとアプリ内に存在していたことです。Kickoffの最初のバージョンを提出した際、審査チームからオファー内容とサブスクリプションの仕組みの説明を求められました。彼らは価格設定とビジネスモデルを考慮しつつ、アプリを承認してくれました。数日後、小さなアップデートを提出したところ、再び承認され、ストアで利用可能になりました。さらに、アプリストアの「新着・注目」セクションでも取り上げられました。

3回目のアップデートで却下されました。バグ修正がいくつかあっただけでした。アプリとウェブサイトのプランはもちろん全く同じままですが、今回はKickoffは承認されないと判断されたようです。

正直に言って、何が起こったのかよく分かりません。審査チームの何人かのメンバーに電話したのですが、彼らの答えは基本的に「大変申し訳ございません。2度承認してしまったのは間違いでした」というものでした。私の理解では、彼らは私たちの状況を本当に心配していたものの、解決策が見つからなかったようです。

もちろん、Lionではストアでアプリ内決済が利用可能になりますが、Lionのリリースを待つことはできませんでしたし、そもそもMac App Storeでは定期決済は利用できません。他に選択肢がなく、ストアを離れることになりました。ご想像のとおり、これは非常にフラストレーションのたまる経験でした。特に、すべてのお客様にウェブサイトからアプリを再ダウンロードしていただく必要があったためです。

デ・コック氏はこの件について非常に冷静に話しているようだが、彼と彼のチームはほぼ一夜にして製品戦略を根本から変更せざるを得なかった。単なる人為的ミスだったのかもしれないが、彼は腹立たしく思わなかったのだろうか？

「確かにかなり重大なミスでしたし、もちろん非常に腹が立ちました。しかし同時に、当時アプリはまだリリースから日が浅かったので、既に大規模なユーザーベースがあった場合よりも、すべてのお客様にウェブサイトからアプリを再ダウンロードしていただくようお願いする方が幸いでした。もしかしたら、もっと深刻な事態になっていた可能性もあったかもしれません。」

LionとiOS5のリリースは間近に迫っています。もしAppleがルールを変更し、正式リリース後にMac App Store内でアプリ内決済が可能になった場合、Kickoffチームはどう対応するつもりでしょうか？De Cock氏は次のように述べています。