
Integoは、iPhoneおよびiPod touchからマルウェアを駆除するセキュリティソフトウェアVirusBarrier X5のユーザー向け無料アップグレードを発表しました。同社は、少なくとも2004年以降、OS Xを標的とする「トロイの木馬」型マルウェアの増加に関するニュースで常に注目を集めており、悪意のあるソフトウェアやコンピュータウイルスがAppleシステムに感染するリスクについて、コンピュータセキュリティ専門家の間で議論が続いています。
今月初め、AppleがOS Xデスクトップで発見された脆弱性を修正するためのセキュリティパッチのリリースをモバイルプラットフォーム上で怠っているという報道があり、AppStoreの開設によってiPhoneやiPod touchに危害を加える可能性のあるソフトウェアが流入する可能性があるのではないかと懸念する声が上がっていました。Appleは、AppStoreからマルウェアを排除するためにゲートキーパーとしての役割を担うと約束していますが、Integoのプレスリリースにあるように、ユーザーがiPhoneやiPod touchを「ジェイルブレイク」(ロック解除)すると、Appleが事前に承認していないアプリケーションがインストールでき、危険な状況に陥るリスクが高まります。
これまでのところ、OS Xを標的とする有害なスクリプトやプログラムは、ユーザーの極めて無謀な協力によってシステムを開き、攻撃を誘発するものに限られているため、実質的なリスクはまだ最小限にとどまっています。しかし、Macのデスクトップ市場シェアが2桁を超え始め、AppleのモバイルOSが携帯端末ユーザーの間で普及を続けるにつれ、ブラックハットソフトウェア開発者の獲得する利益はますます大きくなっています。MacWorldがMacintosh用ウイルス対策ソフトウェアの「ゴールドスタンダード」と呼ぶソフトウェアを開発するIntegoが、いつかNortonに匹敵する存在になるかもしれません。