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埃を吐き出し、ムカデが這いずり回る中、ザ・フーのピーター・タウンゼントは再び棺桶から飛び出し、世界を彷徨い始めた。ロックンロールの重鎮であるこの男は、今回、ある目的を持って墓から姿を現した。それは、AppleとiTunesを「アーティストを血を吸うデジタルヴァンパイア」と呼ぶことだ。
タウンゼントの主張はこうだ。AppleはiTunesで販売される楽曲の30%を利益としているため、アーティストから搾取している。しかし、音楽出版社とは異なり、iTunesは「編集上の指導やクリエイティブ育成」といった恩恵をアーティストに与えていない。
「iTunesがFacebookやTwitterの無法地帯のようなインターネットの世界に存在しているというだけで、莫大な手数料と引き換えに、デジタルの吸血鬼、デジタルのノーザンロックのように作品を流出させているアーティストたちに、こうしたサービスの一部を提供できない理由が本当にあるのだろうか?」とタウンゼント氏は疑問を呈した。
ええと、計算してみましょう。2010年、Appleは99セントの楽曲1曲につき30セントの利益を得ました。一方、レーベルは99セントの楽曲1曲につき53セントの利益を得ました。平均的なアーティストは?1曲あたりわずか9セントです。
いいかい、タウンゼント。まず第一に、「クリエイティブな育成」は配給会社の仕事ではなく、レーベルの仕事だ。そうでないと言うのは馬鹿げている。それはまるで、作家のコロニーを設立した責任をバーンズ・アンド・ノーブルが負うべきだと言うようなものだ。配給会社の仕事は売ることだが、出版社の仕事は、新進気鋭のアーティストに投資し、最高のコンテンツを生み出す手助けをすることで、最高の才能を確保することだ。
第二に、音楽業界はiTunesの楽曲1曲あたりでAppleのほぼ2倍の利益を上げています。Appleと音楽業界との既存の契約では、レーベルが才能の育成と成長に多大な労力を費やしていることが認められています。
何か文句を言いたい? iTunesで売れた曲の収益の10%にも満たないのに、その曲を実際に作ったアーティストに渡るなんて、どうだろう? だが、多くの人気ロックアーティストと同様に、タウンゼントはレーベルと寝返った。彼自身も今やレーベルの一員だ。だから、iTunesという吸血鬼にアーティストが食い物にされているとあれこれ言っておきながら、彼の本当の問題は、レーベルがもっと血を吸うべきだと考えていることだ。