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ほとんどのコンピュータとは異なり、iPadはマルチユーザーデバイスとして設計されていません。iOSは複数のユーザーアカウントやプロファイルをサポートしていません。つまり、デバイスとアプリケーションの設定は1セットしかなく、メモ、メール、ブラウザのブックマーク、様々なオンラインサービスのパスワードといった個人情報も保存されることになります。これほど多くの個人データを含むデバイスを共有すると、他人のiPhoneやiPad、あるいは複数のユーザーで共有されているiPadを使用している際に、簡単に盗み見されてしまう可能性があります。
PasstouchはiPad用のウェブブラウザで、少なくともいくつかのマルチユーザー機能を提供するとともに、ブックマーク、Cookie、保存されたパスワードといったウェブベースの情報を保護するために設計されています。デバイス全体のアカウントやプロファイルは提供していませんが、頻繁に共有されるデバイスには追加のセキュリティを提供します。
iPadを共有する一般的な状況はいくつかあります。例えば、家族全員が1台以上のiPadを所有し、一日中使い続けるといった状況です。また、会議や社交イベントの際に、友人や同僚にiPadを渡して何かを見せたり、メールや銀行残高の確認など、Webベースのサービスを使ってインターネット関連のタスクを実行させたりといったケースも考えられます。
iPadを共有することを想定した状況もあります。その好例が教室、特に小学校や中学校で、生徒一人ひとりに専用のiPadを提供する個別指導プログラムがない状況です。他にも、会議室や研修センターでの共有デバイス、診療所や病院での患者用iPad、あるいは企業所有のデバイスを部署全体で共有するケースなどが挙げられます。
Passtouchは、画面上でジェスチャー操作によって保護された、ユーザーごとのウェブブラウザ環境を提供します。このブラウザは複数ユーザーとゲストユーザー向けに設計されています。マルチユーザー向けのiOSソリューションとしては完璧ではありませんが、特定の状況では優れたソリューションとなります。起動/ロック画面(上記参照)の斬新さは、見た目が良いだけでなく、複雑なジェスチャーパスコードをユーザーが覚えやすいようにも設計されています。
Passtouch はおそらくすべての人に適しているわけではなく、Safari ほど iOS や iCloud と統合されているわけではありませんが、自宅や特定のオフィス、教育現場で定期的に共有される iPad にとっては良いソリューションです。