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写真:Ste Smith/Cult of Mac
Appleは本日、インド政府が開発したスパム対策アプリケーションを同国版App Storeで公開した。このソフトウェアは、商業目的の電話やテキストメッセージの大量送信を防ぐことを目的としているが、Appleは以前、このアプリケーションがユーザー情報を政府に過度に開示する可能性があると懸念を表明していた。
今承認されたTRAI DND(Do Not Disturb)のバージョンは、Appleの懸念に対処しているようだ。
インドの携帯電話ユーザーは、怪しい会社からの電話やテキストメッセージに毎日悩まされています。インド電気通信規制庁(TRAI)は、この状況に対処するため、「着信拒否」リストと「Do Not Disturb(着信拒否)」アプリを導入し、ユーザーが違反を報告できるようにしました。
Appleはこのソフトウェアに反対しました。なぜなら、このソフトウェアはインド政府に全ユーザーの通話記録とテキストメッセージ記録へのアクセスを許可するからです。これは、インドだけでなく世界中で、iPhoneメーカーであるAppleがユーザーのプライバシーを強く重視していることの典型的な例です。
同じ「おやすみモード」アプリではない
本日インドのApp Storeに登場したこのアプリは、Appleの以前の懸念に対処しているようだ。iOS 12に組み込まれた「SMS/通話報告」と呼ばれるシステムを利用している。このシステムにより、 TRAI DND(Do Not Disturb:おやすみモード)は、ユーザーが報告した特定の通話やテキストメッセージの詳細を通知されるが、他の通信に関する情報は共有されない。
これまでTRAIは、1月までにアップル社にスパム対策ソフトを承認しなければインドでiPhoneの使用がブロックされるという猶予を与えていた。
これは一つのハードルを乗り越えたものの、Appleはまだ他のハードルに直面している。インドではiPhoneが全く売れていないのだ。人口14億人のインドで、今年上半期のiOS端末の販売台数は100万台にも満たない。しかも、状況は好転していない。新型iPhone XSとXS Maxの売れ行きは、前モデルを下回っている。
出典: VentureBeat