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未来のディストピア的全体主義国家に生きる天才コンピュータープログラマーが、ゼロ定理(100%は0、そうでなければ全ては無である)を証明しなければならない。彼は少々の社会不安症(「触られるのが嫌なんだ!」)と、ひどく禿げ上がった頭を持ち、各シーンで様々な未来風の奇妙な衣装を身にまとっている。面白そうじゃない?
テリー・ギリアム監督の『 12モンキーズ』や『ブラジル』といった類似作品をご覧になったことがある方(あるいは、リドリー・スコット監督による、1984年を彷彿とさせるAppleのCMがお好きな方)なら、ぜひこの作品を観てみてください。奇抜でエッジの効いた、素晴らしい予告編は以下からご覧いただけます。
ご覧の通り、これはまさにギリアム作品そのもの。突拍子もない、シーンを食い尽くすような演技と、私たちの存在意義というテーマがあらゆるシーンに浸透しています。『12モンキーズ』でお馴染みの、無頓着な評議会と、美しくも気を紛らわせる女性の恋愛対象(あらゆる映画に見られる)に加え、主人公自身よりも狂気じみた世界(ブラジル)が描かれています。
主演はクリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスターズ』 、『ジャンゴ 繋がれざる者』)で、デヴィッド・シューリス(『ハリー・ポッター』 、『ドラゴンハート』 )、ティルダ・スウィントン( 『ナルニア国物語』 )、マット・デイモン(『エリジウム』)、そしてフランス人女優メラニー・ティエリーが脇役として出演しています。まさに、SF界の錚々たる顔ぶれと言えるでしょう。
ギリアム監督は、初期作品のビジョンを現代に持ち込もうと決心したかのようです。言うまでもなく、私たちは今もなお巨大で複雑な官僚機構と無知な指導者たちと対峙しています。本作は現代の情報化時代に対する見事なSF風刺となりそうです。今年の夏にアメリカで公開されるので、今から楽しみです。
出典: Escapist