- レビュー

写真:Apple TV+
Apple TV+のコメディ番組「プラトニック」では、今週、ウィルとチャーリーが自分たちの快適ゾーンの外に踏み出し、二人とも想像していた以上の代償を払うことになる。
この番組は、中年期を迎えたばかりの2人の大人の友人が、性的な関係のない友情を取り戻そうとする物語で、チャーリーの妻シルビアと2人が互いに秘密を抱えていることが描かれる。これは、すべてが計画通りに進んでいることの確かな兆候ではないだろうか?
「妻のボーイフレンド」と題されたこのエピソードは、予想外の喜劇的なゲームが満載であるにもかかわらず、驚くほど効果的なエピソードとなっている。
プラトニック要約:『妻のボーイフレンド』
シーズン1、エピソード5: ウィル(セス・ローゲン)と新しい恋人ペイトン(エミリー・キンボール)は一緒に時間を過ごしている。古着屋での買い物やハリウッドヒルズへの長距離ハイキングなど、ペイトン流の楽しいことをもっと楽しんでいる。
ウィルは彼女に追いつくために、新しい音楽を聴き、新しいトレンドに敏感にならなければならない。ペイトンからマシン・ガン・ケリーが好きだと言われた後、ウィルはシルヴィア(ローズ・バーン)に髪をブリーチブロンドに染めるよう頼む。チャーリー(ルーク・マクファーレン)は帰宅すると、妻が上半身裸の友人をイメチェンさせているのを目撃し、疎外感を露わにし始める。
その後、チャーリーは同僚のスチュワート(ガイ・ブラナム)に、妻とウィルの関係にどれほど嫉妬しているかを打ち明ける。チャーリーはそればかり考えていて気が狂いそうになる。スチュワートは「気にするな」と言うが、チャーリーは我慢できず、ウィルをドジャースの試合に誘ってしまう。
ウィルは招待状の入ったメールを受け取り、醸造所にいる友人であり同僚でもあるオマー(ヴィニー・トーマス)とアンディ(トレ・ヘイル)にそのことを話す。オマーは、チャーリーが妻と過ごす時間が長すぎるから自分を殴りたいと思っているのだと考える。アンディは、チャーリーが妻が自由時間のすべてをウィルと過ごしているから、ウィルの気持ちを探っているだけだと考える。
チャーリーがシルビアにその件について電話すると、彼女は考えすぎないようにと彼に言います。シルビアも 考えすぎてしまい、友人のケイティ(カーラ・ガロ)にこの件について相談します。ケイティはこう切り出します。「誰かを愛しているのに、その人がいつも他の誰かと遊んでいるとしたら、あなたは どう感じる?」
野球に連れてって
野球観戦に出かけたのは、まずまずの成功だった。チャーリーとウィルはようやく落ち着きを取り戻し、会話を始め、二人の間の奇妙な点を洗い出す。二人が楽しいと認めたウィルは、チャーリーとスチュワートを自分のバーに連れて行き、さらに酔わせる。ウィルはチャーリーが普段通りの生活を送れるよう気を良くし、二人は一緒に騒ぎ始め、バーの全員(そして遅れて来たシルビアも)を巻き込む。
騒々しい夜、チャーリーは気分がだいぶ良くなった…はずだった。ところが、最後の最後でシルビアの前でペイトンのことを口にしてしまう。どうやらウィルはシルビアには新しい恋人のことを話していなかったらしい(他の全員には話していたのに)。そして、チャーリーの同僚たちが皆、ウィルを「妻のボーイフレンド」と呼んでいたことが発覚。そしてついに、ウィルの離婚パーティーでシルビアがケタミンを服用していたことが発覚する。
突然、誰も楽しくない状況に陥った。その時、ウィルがガラスで滑って手首に大きな穴が開き、全身から血が流れ始めた。チャーリーが駆けつけ、救急車を待つ間、ウィルを助け出す。
シルビアはチャーリーに隠していたことを謝り、チャーリーも自分の邪魔をするような人間にはなりたくないと謝る。彼女はかつては楽しい人だった。それを奪ったのか?いいえ、と彼女は言う。そして、それを証明するために、ウィルにしたように、チャーリーの髪をブリーチするという彼の誘いを受ける。
セス・ローゲンがプラトニックを楽しくする

写真:Apple TV+
私はこのプラトニックのエピソードがとても気に入りました。歳を重ねるにつれてだんだんと神経症に陥り、途中で間違いを犯したのではないかと疑い始めるのです。
ウィルが恋人の若さに固執する(友人たちの前では、完全に時代遅れと思われないよう、わざとそれを否定する)ことから、チャーリーがシルビアに、ウィルがずっと年下の恋人について言及しなかったことをなぜそんなに心配するのかと、無理やり問い詰めないことまで、すべてが真実味を帯びている。たとえコヨーテ・アグリーへの オマージュや、血まみれの大きな傷といった回り道が、プラトニックが 伝えようとしていることの真剣さを薄めてしまっているとしても。
セス・ローゲンの他の作品と同様に、コメディチックな騒動は必ずしもエピソード全体のテーマと直接関係しているわけではない。しかし、それはそれで構わない。ローゲンと仲間たちは、それらを信念に基づいてうまく表現しているからだ。(というか、彼らの最高の作品では、そういうことが起こっている。明らかに無気力なローゲンでは、『ナイト・ビフォア』のような駄作を救うことはできなかっただろう。)
ローゲンは基本的に彼自身である
ローゲンは、ただ楽しんでいるだけで楽しくなれる数少ない俳優の一人です(コメディでは大抵逆ですが)。なぜなら、彼のメディア出演作品はすべて彼の個性を反映しているからです。有名になってから自分らしく振る舞うようになったわけではありません。彼は常に自分らしくありました。ですから、今週のプラトニックでの「秘密の技」モンタージュでさえ、私が期待していたほど面白くはなかったのですが、それはある意味、後のシーンで本当の感情表現が始まるのを覆い隠す役割を果たしていたのです。
シルビアがウィルのガールフレンドに会わずに嫉妬したり、ウィルがシルビアと付き合っていることを隠そうとしたりするのは、どちらも誰もが人生で何らかの形で目にしたことがある、ごく自然な展開です。本来ならシーズンを通して葛藤を生み出す必要のない設定の強さを強調するために、このドラマが些細な刺激的なディテールを巧みに見つけ出しているのが気に入っています。どれも素晴らしい出来で、どれも無理やり感がありません。
★★★★☆
『プラトニック』の新エピソードは毎週水曜日にApple TV+で配信されます。
評価: TV-MA
視聴はこちら: Apple TV+
スカウト・タフォヤは、映画・テレビ評論家、監督であり、RogerEbert.comの長編ビデオエッセイシリーズ「The Unloved」の制作者でもある。The Village Voice、Film Comment、The Los Angeles Review of Books 、 Nylon Magazineなどに寄稿。著書には『Cinemaphagy: On the Psychedelic Classical Form of Tobe Hooper』と『But God Made Him A Poet: Watching John Ford in the 21st Century』がある。25本の長編映画を監督し、300本以上のビデオエッセイの監督兼編集者でもある。これらのビデオエッセイはPatreon.com/honorszombieで視聴できる。