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写真:Ste Smith/Cult of Mac
英国のハイテク企業に暗号化されたメッセージを引き渡すよう強制する試みは、EUの提案によって阻止される可能性がある。
欧州議会の市民的自由・司法・内務委員会に所属する欧州議員らは、各国が暗号化されたメッセージの解読を試みることを禁止する法案を提出した。この法案は、通信に強力な暗号化技術を使用していないテクノロジー企業にも、同様の暗号化技術の使用を義務付けることになる。
草案には、「電子通信データの暗号化が使用される場合、当該通信の復号、リバースエンジニアリング、または監視は禁止される。加盟国は、電子通信サービスプロバイダーに対し、そのネットワークおよびサービスのセキュリティと暗号化を弱めるような義務を課してはならない。」と記載されている。
この法案は、企業に暗号解読を強制することでテロリストに「安全な場所」を与えないという英国のテリーザ・メイ首相の選挙公約を損なうものだ。
仮に法案が可決された場合、ブレグジットによるEU離脱が同法案にどのような影響を与えるかは不明だが、英国がもはやEUの法律に従う義務を負わなくなる可能性が高いだろう。
暗号化をめぐる争い
暗号化をめぐる論争と、政府に個人のメッセージへのアクセス権を与えて人々の安全を守ることの論争は、激しく争われている話題だ。
近年、サンバーナーディーノで発生した銃乱射事件で、犯人の一人が所有していたロックされたiPhoneのハッキングに協力するかどうかをめぐり、AppleはFBIと対立しました。Appleはハッキングを拒否しましたが、FBIは最終的にAppleの協力なしに当該iPhoneにアクセスできました。欧州議会(MEP)が提案する規制の下では、この行為は欧州諸国で禁止されることになります。
Appleは、暗号化推進の姿勢をめぐって当時の大統領候補ドナルド・トランプ氏とも衝突した。トランプ氏はその結果、Apple製品のボイコットを呼びかけることさえした。
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出典:テレグラフ