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写真:サム・ミルズ/Cult of Mac
現在、Apple は中国政府とある種の衝突に直面する準備が整っているようだ。そして、以前 Apple が買収に向けて「進んだ交渉」を行っていると報じられていた英国のチップ設計会社 Imagination Technologies の株式を中国の国営企業が取得したという事実によって、事態は改善されないかもしれない。
イマジネーションは、AppleがiOSデバイスに搭載するPowerVRグラフィックチップを開発している。Appleは2008年に同社に3.6%の株式を初めて取得し、その後2009年には9.5%にまで株式保有率を引き上げている。噂されているイマジネーション買収により、Appleはこれまで自社開発のARMベースCPUコアで行ってきたように、GPU設計を自社で行うことが可能になるだろう。
しかし、この計画は、資金力のある中国の清華紫光集団が同社の株式3%を取得するという決定に影響を受けた可能性がある。昨年、清華紫光集団は米国のマイクロン社を230億ドルで買収しようとしたが、国家安全保障上の理由から米国政府によって阻止された。米国のコンピュータストレージ企業ウエスタンデジタルの支配株主になる計画も同様の理由で断念された。
リベラムのアナリスト、エオイン・ランベ氏は、「清華社の株式保有は売却プロセスに弾みをつける可能性がある。アップルはイマジネーションの技術を中国に持ち込むことを望んでいないだろうと考えているからだ」と述べた。英国法では、アップルは今年9月までイマジネーションへの買収提案を行うことができない。
Appleは多くの製品を中国で製造しており、ティム・クックCEOは以前、中国が間もなく米国を追い抜いてApple最大の市場になると確信していると公言していた。しかし、クパチーノと中国の関係は今のところ必ずしも良好とは言えない。中国の裁判所がAppleのiPhone商標の独占権を剥奪し、中国政府がiBooksとiTunes Moviesストアの中国での運営を禁止したことを受け、クックCEOは今月、問題解決のため中国を訪問する予定だ。
出典:イブニング・スタンダード