- ニュース

スティーブ・ジョブズはニューズ・コーポレーションのCEO、ルパート・マードックと良好な仕事関係を築いていましたが、彼がフォックス・ニュースを嫌っていたことは周知の事実です。実際、ウォルター・アイザックによる公式伝記の中で、ジョブズは「フォックスは我々の社会において信じられないほど破壊的な力となっている」と述べています。
スティーブ・ジョブズは、AppleのブランドをFox Newsと結びつけるのではなく、保守系テレビネットワークからAppleの広告をすべて削除するよう自ら命令することに決めた。
ジョナサン・オルター氏は、オバマ氏の2012年の再選に向けた取り組みに関する近刊著書の中で、オバマ氏の選挙運動に対するフォックスの影響について1章を割き、その中でスティーブ・ジョブズ氏が「フォックス・ニュースからアップルの広告を削除するよう個人的に指示した」ことも述べている。
理由、方法、時期などの詳細は明かされていないが、 6月4日に『 The Center Holds: Obama and His Enemies 』という本が出版されれば、さらに詳しいことが分かるだろう 。
ジョブズの協力もあり、マードックの会社はニュースアプリ「The Daily」を搭載したiPadに多額の投資を行いました。仕事上の関係にもかかわらず、スティーブ・ジョブズがマードックのFox Newsを嫌っていたことは以前から知られていました。ウォルター・アイザックソンとのインタビューで、ジョブズはマードックとの会合についてこう語っています。
「フォックス・ニュースで君は大失敗している」とジョブズは夕食の席でマードックに言った。「今の軸はリベラルと保守ではなく、建設と破壊だ。君は破壊的な連中に味方している。フォックスは我々の社会において信じられないほど破壊的な力になっている。君はもっと良くなれるはずだ。気をつけなければ、これが君の遺産になるだろう」。ジョブズは、フォックスの行き過ぎたやり方をマードックはあまり気に入らなかったようだと言った。「ルパートは築く人であり、壊す人ではない」と彼は言った。「(マードックの息子)ジェームズと何度か会ったが、彼も私の意見に同意していると思う。そう確信している」
スティーブがマードックと良好な関係を築いていたにもかかわらず、アップルの事業をフォックスから引き離すというのは少々意外だが、ユーザーの創造性を高めるデバイスを作ることに注力していた人物として、ジョブズが自分のブランドを「破壊的」と見なしていた報道機関と結び付けたくなかったのも不思議ではない。
出典:NYT