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ポストPCの世界で生きていくのは大変だ。特に半導体大手のインテルにとってはなおさらだ。主要PCメーカーがライバルのARMを採用する計画を示唆したことを受け、ウォール街のアナリストはインテルの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。スマートフォンやタブレットの台頭もインテルに追い打ちをかけている。
スターン・アギーのアナリスト、ビジェイ・レケシュ氏は、インテルは2012年から2013年にかけて、いくつかの困難に直面するだろうと述べた。彼は、大手PCメーカーの製品のうち、ARMプロセッサを採用する割合は10~15%になると予想している。その結果、インテルは「利益率の高いPC」100万台をARMに奪われ、その損失を相殺するには400万台以上のスマートフォンが必要になるだろう。また、新興市場も低コストのARM製品に移行するだろうと、レケシュ氏は投資家に警告している。
これはそれほど驚くべきことではありません。昨日、Googleが次期Google TVデバイスの製造にあたり、Intel x86からMarvell製のARMベースSoCに移行すると報じました。Sterne AgeeがIntelの目標株価を26ドルから25.40ドルに引き下げたのも不思議ではありません。
PCメーカーがARMに惹かれる理由は明白です。「Microsoft Officeが使えるようになったARM搭載の低価格PC」と有利なライセンス体系が、ライバルのチップメーカーであるARMをコンピューターメーカーにとって魅力的な選択肢にしていると、レケシュ氏は言います。
同アナリストは、インテルがポストPC市場に最も適しているとは考えていない。金曜日のメモの中で、同氏はクアルコムが「スマートフォンの成長を活かすのに最適な立場にある」と述べた。
そしてタブレット市場も問題だ。インテルはPC顧客を失うにつれ、スマートフォン向けMedfieldチップの販売でその差を埋めなければならないが、これは実現可能性が低い。PC向けチップは1個あたり約100ドルで販売できるが、Medfieldは約25ドルで販売できるため、PC向けチップの減少分を補うには、大量のスマートフォン向けプロセッサを販売する必要があるとアナリストは指摘する。
インテルにとっては長く寒い冬になりそうだが、近い将来もそれほど明るい見通しはなさそうだ。