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写真:Apple
ティム・クック氏がAppleのCEOに就任して以来、彼は同社の最新製品について語るのと同じくらい、社会問題についても積極的に発言してきました。イスラエル、イギリス、ドイツを含む最近の世界各国を巡るツアー中、クック氏はドイツ紙BILD (有料)のインタビューに応じてくれました。
Appleの3月9日のApple Watchイベントがわずか1週間後に迫っていたにもかかわらず、クック氏はこの報道を利用して、Appleの次世代ウェアラブルと同じくらい彼にとって大切なテーマであるプライバシーについて語った。
「私たちはあなたのメールを読みませんし、あなたのメッセージも読みません。そんなことは受け入れられません」とクック氏は言い、「私は自分のメールを読まれたくないんです!」と付け加えた。
クック氏が同様の意見を表明するのは今回が初めてではない。2014年のインタビューでチャーリー・ローズ氏に「あなたは私たちの製品ではない」と語り、個人データに関するAppleの立場を明確にした有名な発言があった。このインタビューで、彼はGoogleのデータ主導型ビジネスモデルを痛烈に批判し、「大量の個人データを収集することで利益を上げている」企業について人々は懸念すべきだと指摘した。
クック氏は英国のテレグラフ紙との最近のインタビューでも同様の点を指摘し、次のようにコメントした。
政府や企業、あるいは誰かが私たちの個人情報すべてにアクセスすることを受け入れるべきではありません。これは基本的人権です。私たちは皆、プライバシーの権利を持っています。それを放棄すべきではありません。脅しや、根本的に詳細を理解していない人々に屈してはいけません。
クック氏は、最近のサイバーセキュリティに関する政府シンポジウムでも述べたように、 BILD紙のインタビューでも、Apple Payは顧客が何を購入したか、いくら支払ったか、どこで購入したかといった情報をAppleが一切把握できないように設計されていると強調した。「私たちはそういったことを一切知りたくありません」とクック氏は述べた。
クック氏は既に述べたように、これらの点は以前にも指摘しているが、特に欧州で最も厳しいプライバシー法を有し、サイバー監視をめぐってグーグルと幾度となく衝突してきたドイツにおいては、改めて強調する価値がある。もしクック氏が監視に関する自身の見解に完全に一致する国を見つけるとすれば、それはドイツだろう。
興味深いことに、クック氏はAppleの変貌について簡潔に洞察を披露した。インタビューの中でスティーブ・ジョブズ氏を「これまでで最高の先生」と評した一方で、Appleが現在の地位を築くにつれ、セキュリティ、教育、プライバシー、環境といった社会問題に関して、それほど秘密主義でいる必要はないという認識が広まりつつあると認めた。Cult of Macで以前にもこの変化に触れたことがあったが、クック氏がこの件について語るのを聞くと、改めて考えさせられる。
しかし、だからといって彼が今後の製品について語るわけではない。Apple Carの可能性について問われると、クック氏は「噂は読んだ。コメントできない」とだけ答えた。
しかし彼はそれを否定しなかった。ロイド・クリスマスの言葉を借りれば、「つまり、チャンスがあるってことか」