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AppleのiPadを活用し、電子書籍の9.99ドル価格設定を義務付けるAmazonと出版社の間に亀裂を生じさせようとする出版社が増えており、Hachette Book Groupもそのリストに加わった。MacmillanやHarperCollinsに続き、Hachette Book GroupはAppleの「代理店モデル」価格設定を採用し、かつてAmazonが優位に立っていた分野に波紋を巻き起こしている。
「エージェンシーモデルには、著者、小売業者、消費者、そして出版社にとって多くの利点があります」と、ハシェットUSAのCEO、デビッド・ヤング氏は木曜夜に述べた。「著者へのこうした投資がなければ、消費者が利用できる書籍の多様性は縮小し、小売業者の多様性も低下し、私たちの文学文化は損なわれるでしょう」と彼は付け加えた。電子書籍小売業者の多様性の欠如に関するこの発言は、iPadが登場するまで価格設定のコントロールをほぼ独占していたAmazonへの明らかな批判だった。
マクミラン社は、電子書籍の価格を12.99ドルから14.99ドルに抑えることを主張してアマゾンに打撃を与えたが、木曜日にはニューヨーク・タイムズ紙に自社の書籍の広告を掲載し、「アマゾン以外の書店で」という厳しい条件を付けた。
今週末、アマゾンはマクミラン社の書籍を一時的に撤回した後、出版社の要求に「屈服した」と発表したが、この方針転換は独立系出版社にとって有利であると主張した。
ルパート・マードック氏のニューズ・コーポレーション傘下のハーパーコリンズは、アップルのiPadを脅威に利用し、アマゾンを交渉のテーブルに引きずり出そうとしている。マードック氏は今週初め、シアトルに拠点を置くオンライン書店であるハーパーコリンズは「交渉に応じる用意がある」とアナリストらに語った。ハーパーコリンズとアップルの契約内容の詳細は明らかにされていないものの、マードック氏はアップルの価格設定は「アマゾンがこれまで行ってきたような方法で固定されることはない」と述べた。
iPad発表時にAppleが言及した他の2つの出版社、サイモン&シュスターとペンギンがAppleと同様の契約を結ぶのはいつか、という見方もある。Appleへの圧力は、20ドルのCD音楽販売がオンラインで1ドルのデジタル音楽販売に急速に食いつぶされた過去の二の舞を書籍出版社が避けようとしているものとみられている。
[AllThingsDigital、9to5Mac、AppleInsider、GalleyCat経由]