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写真:Ste Smith/Cult of Mac
アップルは、今後1年間でオリジナルコンテンツの取得または制作に費やす10億ドルの「軍資金」を準備していると報じられている。
この金額は、HBOが昨年制作費に費やした金額の約半分です。HBOの最高傑作は、2011年から放送されている「ゲーム・オブ・スローンズ」です。Appleのシニアバイスプレジデント、エディ・キュー氏は、Appleが最大10本の新作番組を提供することを目指していると報じられており、その規模は「ゲーム・オブ・スローンズ」に匹敵するかもしれません。
Appleは状況を好転させることができるか?
これまでのところ、Appleのオリジナルコンテンツはやや期待外れだ。映画祭で興味深く批評家からも好評を得たドキュメンタリー作品もいくつか制作されているものの、それらは音楽に焦点を絞ったものが多い。Apple Musicの宣伝と、同社のラジオ局「Beats 1」と同じ視聴者層への訴求を目的としていることを考えると、それも当然と言えるだろう。
Appleの「オリジナル」番組としては、これまでに「Planet of the Apps」と「Carpool Karaoke」が放送されているが、どちらもリアリティ番組のジャンルに分類される。どちらの番組も批評家から高い評価を得ることはできず、安全策に走り過ぎ、脚本が多すぎると批判されている。
しかし最近、Appleは採用を強化し、一目置かれる存在としての地位を確立しようと努めている。最近の採用者には、AMCの『ブレイキング・バッド』や『ベター・コール・ソウル』、Netflixの『ザ・クラウン』といった作品の制作に携わった元ソニー幹部2名が含まれている。また、WGNアメリカとトリビューン・スタジオの元責任者マット・チャーニス氏も採用し、2名の下で働く予定だ。
これが事態を好転させ、AppleをNetflixやAmazonに匹敵するオリジナル番組制作の巨人に押し上げるのに十分かどうかは、まだ分からない。プロジェクトに投じる資金があることは確かに有利だが、これまでのところ、Appleのオリジナルテレビ番組の失敗は資金不足によるものではない。問題は、Appleが人々が熱狂するようなオリジナルコンテンツを開発するビジョンを持っているかどうかだ。それとも、結局は同じような番組ばかりになってしまうのだろうか。
出典:WSJ